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カサンドラ症候群とは?アスペルガー症候群の夫が原因の無気力は治療できる?

カサンドラ症候群とは?アスペルガー症候群の夫が原因の無気力は治療できる

  • カサンドラ症候群って何?
  • アスペルガー症候群の夫と離婚したいんだけど…
  • カサンドラの無気力って治療法あるの?

 

そんな悩みや疑問、記事を読めば5分で解決します。

あや

 

近頃、カサンドラ症候群に悩む女性が増えています。

カサンドラ症候群というのは、夫との関係性によって生じる無気力やうつ症状といったしんどい症状をまとめたものです。

結婚生活に大きな影響を及ぼし、離婚の原因となることもあります。

 

この記事で分かること
  • カサンドラ症候群って何?
  • カサンドラ症候群と離婚

 

カサンドラ症候群とは

カサンドラ症候群とは

カサンドラ症候群とは、自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)の夫との関係性が原因で生じる身体的・精神的な症状です。

英語では「Cassandra Affective Disorder」と表記され、日本語ではカサンドラ症候群と訳されます。

 

  • 夫婦間の情緒的なコミュニケーションや意思疎通がうまくできないこと
  • そうした状態を周囲に人に理解してもらえないこと

こうした悩みを抱えることで女性の心身に様々な症状が現れ、夫婦関係や家庭生活に大きな影響を及ぼします。

 

「モラハラ(モラルハラスメント)」のように、言動や態度によって意識的に傷つけられることはあまりありません。

でも、日々の生活の中で徐々に女性の心をむしばみ、夫婦関係に亀裂を入れていきます。

 

アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群とは、自閉症の特徴を持ちながら知的障害や言語発達の遅れがない状態です。

自閉症の特徴は次の3つです。

  • 社会性発達の障害
  • コミュニケーションの障害
  • 興味や行動の偏り

 

DMS-ⅣやICD-10にはアスペルガー症候群の診断基準が掲載されていました。

でも、DSM-5やICD-11では削除されて「自閉症スペクトラム障害」の中に位置づけられています。

用語 説明
DSM-5 Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders

(精神障害と診断の統計マニュアル)

アメリカ精神医学会が出版した書籍。

精神障害の分類のための共通言語や標準的な基準を示しされたものの第5版

ICD-11 International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems

(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)

世界保健機関が公表している、死因や疾病の国際的な統計基準の第11版

 

自閉症スペクトラムというのは、自閉症の症状が見られる様々な状態を連続体としてとらえる概念です。

個別の病気としてではなく、症状の程度の差で自閉症をとらえます。

あや

 

ただし、アスペルガー症候群という名称は、医療現場においては現在も使用されています。

また、カサンドラ症候群を説明するキーワードとして一般的にも定着しています。

そのため記事内では、自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)と記載します。

 

「カサンドラ」の語源はトロイの王女

カサンドラというのは、ギリシャ神話に登場するトロイの王女の名前です。

カサンドラは、太陽神アポロンの寵愛を受けて予知能力を授かります。

でも、予知能力を使って自分がアポロンに捨てられる未来を知り、アポロンを拒絶します。

 

その結果、アポロンの怒りを買って「予言を信じてもらえない」という呪いをかけられ、予知を誰にも信じてもらえなくなります。

カサンドラが受けた「周囲の人に理解してもらえない」と仕打ちから、カサンドラ症候群の語源となっています。

 

カサンドラ症候群は正式な病名ではない

カサンドラ「症候群」という名称から、「心の病気だろう」と思っている人は少なくありません。

「自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)と同じ発達障害だろう」と思っている人もいます。

 

でも、カサンドラ症候群は正式な病名ではありません。

DSM-5やICD11には掲載されておらず、精神科や心療内科でもカサンドラ症候群とは診断されません。

 

隠れカサンドラが多い

カサンドラ症候群は、

本人が気づきにくく、周囲はもっと気づきにくい

という特徴があります。

 

カサンドラ症候群の自覚がない「隠れカサンドラ」と呼ばれる人が一定数いるのも、こうした特徴のためです。

本人が「カサンドラ症候群ではないか」と自覚しても、周囲に受け入れられず、助けや支援を得られず孤立するケースもあります。

 

「カサンドラ症候群である=配偶者が発達障害(アスペルガー障害)」ということです。

そのため、「カサンドラではないか」と周囲に相談し、相手から「夫を障害者扱いして」と批判されることもあります。

こうしたことから、カサンドラ症候群を抱えたまま結婚生活を継続し、心が壊れてしまう女性が少なからずいます。

 

カサンドラ症候群の原因・症状・治療法

カサンドラ症候群の治療法

カサンドラ症候群の原因、症状、治療法について書いていきます。

 

カサンドラ症候群の原因

カサンドラ症候群は、自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)の夫との関係性で生じる二次障害です。

自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)の人には次のような特徴があります。

  • 社会性の未熟さ
  • 情緒的なコミュニケーションの拙さ
  • 想像力の乏しさ
  • 共感性の低さなど

 

こうした特徴に基づく夫の言動や態度によってストレスが溜まり、様々な症状として現れます。

また、悩みを相談しても周囲に理解してもらえず、無力感、孤独感、絶望感を抱きます。

 

具体的には、次のようなことがカサンドラ症候群を引き起こします。

  • 夫と情緒的コミュニケーションが円滑にできない
  • 夫に気持ちが思うように伝わらない
  • 夫が何を考えているか分からない
  • 対人関係や子育ての悩みに共感してもらえない
  • 非常識な言動や態度
  • 周囲に相談しても相手にされない

 

カサンドラ症候群の症状

カサンドラ症候群になると、心身に次のような症状が現れます。

精神・身体 具体的な症状
精神的な症状 ・自己評価の低下

・自己喪失

・感情の混乱

・怒りや不安

・抑うつ

・情動剥奪

・罪悪感

・心的外傷後ストレス反応

・社会恐怖症

・広場恐怖症など

・無気力

身体的な症状 ・疲労感

・倦怠感

・免疫系疾患

・ホルモン系疾患

・不眠

・頭痛(偏頭痛)

・体重の異常な増減

・月経前緊張症

・生理不順など

 

どのような症状がどれくらい現れるかは個人差がありますが、複数の症状が継続的に出現するのが一般的です。

 

心的外傷を受けている状態

カサンドラ症候群は、「心的外傷を受けている状態」だと説明されることもあります。

心的外傷としてはPTSD(心的外傷後ストレス障害)が有名です。

 

PTSDとは、自然災害などの強い心的外傷体験がきっかけで次のような症状が生じている状態です。

  • 体験から時間が経過した後もフラッシュバック
  • 侵入的再体験(悪夢)
  • 体験に関する刺激の回避
  • 否定的な気分や思考
  • 情緒不安定などの症状が

 

カサンドラ症候群は、夫との生活で苦痛を感じ続けている状態で、過去の体験で苦んでいるわけではありません。

この点において、PTSDとは区別されます。

 

カサンドラ症候群の治療法

カサンドラ症候群は日常生活に大きな影響を与えます。

無気力やうつ症状などが悪化すると社会生活が送れなくなることもあるので、早めに改善させる必要があります。

 

自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)を理解する

カサンドラ症候群を改善させる第一歩は、自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)を理解することです。

まず、結婚生活や夫婦関係のしんどさの原因が夫の障害にあることに気づくことが大切です。

そして、夫の障害の特性を知り、理不尽だと思っていた言動や態度の原因を障害と結び付けます。

 

すると、「自分は悪くない」という実感を持つことができるようになります

また、自分が置かれた状況を冷静に振り返り、同居の継続や別居・離婚など今後の生活に目を向けられるようになります。

 

コミュニケーションの方法を変える

夫の障害特性に応じた対応方法を知ることで、夫との関係から生じるしんどさが改善します。

例えば、自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)の人は、

ノンバーバル(非言語的)な情報を処理することが苦手

という特徴があります。

 

そのため、伝えたいことを口に出し、図やグラフを使って具体的に説明することで意思疎通が改善します。

また、周囲の刺激を否定的に受け取りやすいので、否定や批判はせず必要な情報を淡々と伝えるのも効果的です。

 

配偶者と距離を置く

夫との関係で心身に不調が生じたときは、距離を置いて冷静さや落ち着きを取り戻すのも有効です。

「距離を置く」というのは、別居をして物理的に距離を置くだけでなく、心理的にも距離を置くということです。

特に、夫婦が共依存関係に陥っている場合は、早急に距離を置く必要があります。

 

共依存というのは、お互いが相手との関係性に過剰に依存して囚われている状態です。

あや

 

治療を受ける

カサンドラ症候群の治療は、日常生活に支障を及ぼしている無気力などの具体的な症状を改善させることを目指します。

カサンドラ症候群の症状は、一人で克服するのが困難で、周囲の人に理解してもらいにくいものです。

そのため、精神科や心療内科を早めに受診して症状に応じた治療を受けることが大切です。

 

精神科などでは、具体的な症状に応じてカウンセリングと服薬を組み合わせた治療が行われます。

 

カサンドラ症候群と離婚

カサンドラ症候群と離婚

カサンドラ症候群の原因となった夫と離婚したいと希望する女性、すごく増えています。

協議離婚や調停離婚であれば、夫婦間で離婚や条件面の合意ができれば離婚できます。

カサンドラ症候群が離婚の理由でも、夫が離婚を受け入れれば離婚が成立します。

 

でも、夫婦の協議や調停がまとまらず離婚裁判までもつれ込むと、離婚のハードルが一気に高くなります。

 

離婚調停におけるカサンドラ症候群への理解の乏しさ

カサンドラ症候群は、最近になって登場した新しい概念です。

そのため、「聞いたことがない」、「聞いたことはあるが詳しくは知らない」という人が少なくありません。

離婚調停を運営する裁判官や調停委員も、カサンドラ症候群について詳しく知らない人が多いです。

 

問題なのは、カサンドラ症候群について説明しても、「相手に対する悪口」や「思い込みに過ぎない」と思われやすいことです。

離婚調停でカサンドラ症候群を主張すると、調停委員から「我慢が足りないんじゃないの」と言われることも珍しくありません。

離婚調停の運営者である裁判官や調停委員に「悪口や思い込み」だと思われると、調停を思うように進められなくなります。

 

伝え方のポイント

カサンドラ症候群について調停委員に伝えるときのポイントは

具体的なエピソードを踏まえて話す

ということです。

 

具体的には、次のことを意識しましょう。

  • 威圧的な言動や態度をされた
  • 弱みに付け込む発言をされた
  • 人格を貶められた、人格を傷つける発言をされた
  • 病気や怪我をしたときに、自分の予定を優先された
  • 夫婦や子供に関する重大な選択をするときに、真剣に向き合ってもらえなかった

 

カサンドラ症候群は離婚の理由(法定離婚事由)になるか

民法上は、5つの離婚事由が規定されています。

 

夫婦の一方は、以下の場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

  • 配偶者に不貞な行為があったとき。
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
  • 配偶者が強度の精神病に罹り、回復の見込みがないとき。
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

引用:民法第770条第1項

 

自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)は発達障害で、精神病ではありません。

そのため、「配偶者が強度の精神病に罹り、回復の見込みがないとき。」には当てはまりません。

不貞、悪意の遺棄、生死不明にも該当しません。

 

カサンドラ症候群を理由に離婚を請求するときは、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」の一事情として主張します。

「一事情」と書いたのは、

カサンドラ症候群だけを主張しても離婚が認められる可能性は低く、その他の事情と一緒に主張する必要がある

からです。

 

その他の事情は夫婦によって異なります。

通常は、不貞や悪意の遺棄といった法定離婚事由に沿った主張を行います。

そうした事情がなければ、夫からのDVやモラハラなど、離婚を決意した事情を主張するのが一般的です。

 

離婚裁判では証拠資料が重要な意味を持ちます。

精神科などを受診して診断を受けた場合は、診断書をもらっておきましょう。

カサンドラ症候群とは診断されませんが、うつ病などの精神疾患だと診断されることはあります。

 

カサンドラ症候群は慰謝料請求の理由となるか

結論から言うと、カサンドラ症候群だけで慰謝料請求を認めてもらうのは困難です。

離婚時に慰謝料請求が認められるには、慰謝料請求の根拠となる事実と裏づけ資料が必要になります。

でも、カサンドラ症候群は、日常のコミュニケーションや意思疎通の行き違いの積み重ねで生じる症状です。

 

医学的な病気でもなく、資料で証明するのは難しいと言わざるを得ません。

そのため、カサンドラ症候群だけを主張しても、慰謝料請求はまず認められません。

離婚請求の場合と同じく、その他の事情と組み合わせて主張するのが重要です。

 

でっち上げの問題

カサンドラ症候群で悩んでいる女性がいる一方で、離婚のためにカサンドラ症候群を装う女性も散見されます。

精神的な症状は外から見えにくいので、カサンドラ症候群に限らず事実と異なることをでっち上げて主張しやすい傾向があります。

 

でも、発覚した場合のリスクが大きいですし、夫婦間の信頼関係を完全に破壊してしまいます。

事実と異なる主張すると、離婚後の面会交流や養育費の支払いに影響することもあります。

 

カサンドラ症候群のまとめ

カサンドラ症候群は、自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群)の夫との関係性で生じる症状をまとめたものです。

心と体に様々な症状が生じ、日常生活や夫婦生活に大きな影を落とします。

原因となる夫には自覚がないことが多く、改善を求めるのも簡単ではないので、女性自身が改善する方法を探る必要があります。

 

自分で対処するには限界があり、周囲の理解も得にくいので、「カサンドラかな」と思ったら早めに精神科や心療内科を受診しましょう。

診断まで付かない状態なら夫への対応を相談し、診断がつくようなレベルなら治療を受けて心を整えることが大切です。