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片親引き離し症候群・片親阻害とは?子供のその後への影響と対応について解説

片親引き離し症候群と片親阻害が子供に与える影響

  • 片親引き離し症候群(PAS)って何なの?
  • 片親阻害(PA)も聞いたことあるけど、何が違うの?
  • 片親と引き離されると子供にはどんな影響が出るの?

 

その疑問、記事を読めば5分で解決します。

あや

 

親の離婚や別居を経験した子供が離れた親と会うことを拒否する「片親引き離し症候群」や「片親疎外」注目されています。

 

親の離婚や別居といった問題にさらされた子供は、心に深刻な傷を負います。

父母が子供の前では争わずに親として振る舞えば、傷は最小限で済みます。

また、離れて暮らす親子の面会交流が継続できれば、子供は「両親から愛されている」という感覚を抱き、心の傷も少しずつ癒えていきます。

 

一方で、父母が争う姿を見せてしまうと、子供はさらに深い傷を負います。

同居する親が、離れて暮らす親の悪口を言ったり親子が会うことに反対したりすると、子供が面会交流を拒否することがあります。

これが片親引き離し症候群や片親阻害と呼ばれる状態です。

 

片親引き離し症候群と片親疎外とは

片親引き離し症候群と片親阻害とは

最初に、片親引き離し症候群と片親疎外の定義を確認していきます。

 

片親引き離し症候群(PAS)とは

片親引き離し症候群とは、配偶者と離婚や別居をした後に子供と同居している親(監護親)が、子供と離れて暮らす親(非監護親)の悪口や誹謗中傷を吹き込んで子供を洗脳し、子供が非監護親との交流を阻んでいる状態です。

ごく簡単に言えば、「監護親の言動や態度によって、子供と非監護親の関係が理不尽に壊されている状態」です。

 

リチャード・A・ガードナーが1980年代初めに提唱した用語で、英語表記の「Parental Alienation Syndrome」の頭文字を並べて「PAS」と呼ばれます。

日本では「片親引き離し症候群」や「洗脳虐待」と訳されています。

 

諸外国の中には、片親引き離し症候群を虐待の一つとして重く受け止める国があります。

でも、日本では名称すら知られていないのが現状です。

 

片親疎外(PA)とは

片親疎外(PA)とは、子供が監護親の影響を受けて、正当な理由がないのに非監護親との交流を拒否している状態のことです。

「片親引き離し症候群(PAS)は診断学上のシンドローム(症候群)に該当しない」と批判された後に使用されるようになった用語ですが、内容に大きく異なるところはありません。

英語では「Parental Alienation」と表記され、日本語では「片親疎外」と訳されます。

 

この記事では、本文中の表記を「片親引き離し症候群(PAS)」で統一しています。

あや

 

片親引き離し症候群(片親疎外)の原因

片親引き離し症候群と片親阻害の原因

片親引き離し症候群は、主に監護親の子供に対する言動が原因で起こります。

 

監護親が、非監護親の悪口や誹謗中傷を繰り返す

子供にとって父母はとても大きな存在で、その発言や態度に大きな影響を受けます。

父母の別居や離婚によって片親との生活を余儀なくされた子供は、「監護親にも見捨てられたらどうしよう」という不安を常に抱えています。

こうした不安から監護親の言動に過敏に反応し、その言動に追従しやすい傾向があります。

 

特に子供の年齢が低いほど、親の言動に大きく影響を受けやすいものです。

そのため、監護親が子供の前で非監護親の悪口や誹謗中傷を繰り返すと、子供は監護親の意見が自分の意見だと思い込むようになります。

 

監護親が、非監護親の話を嫌がる

言葉にしなくても、子供が非監護親の話をしたときに嫌な顔をしたり無視したりすると、子供は「非監護親の話はタブーだ」と敏感に察知します。

そして、監護親が抱いている非監護親に対する否定的な気持ちや感情を取り入れていきます。

 

監護親が、子供と非監護親の面会交流を嫌がる

離婚や別居で離れて暮らすことになった親子は、面会交流(会って交流すること)を行う権利があります。

親子の交流は子供の健全な成長に欠かせないことなので当然の権利です。

でも、監護親が面会交流を嫌がると子供はそれに同調し、あたかも自分が面会交流したくないかのように振舞うことがあります。

 

片親引き離し症候群(片親疎外)が子供に及ぼす影響

片親引き離し症候群と片親阻害が子供に与える影響

片親引き離し症候群の主な症状は、次のとおりです。

  • 監護親は「全て正しくて好き」、非監護親は「全て悪くて嫌い」という考え方になる
  • 監護親が抱く非監護親への不満や敵意を取り入れ、自分の意見であるかのように話す
  • 非監護親に対するひどい発言や態度に罪悪感を持たない
  • 非監護親を拒否するのは、自分の本心だと主張する
  • 非監護親の関係者にも敵意を向けて批判する
  • 非監護親への恨みや嫌悪感をあらわにする
  • 監護親の主張や意見を無批判に支持する
  • 理不尽な理由で非監護親を誹謗中傷する

 

こうした症状は、①監護親が自分の意向を子供に吹き込むことと、②子供が監護親の意向を敏感に察知して自分の意向だと表明することで起こります。

子供が監護親の意向を自分の意向だと表明するのは、一方の親と強制的に引き離された状況で、さらに監護親の関心や愛情まで失いたくないという気持ちが働いているからだと考えられています。

 

子供が情緒不安定になる

片親引き離し症候群で最も深刻なのは、子供の情緒が不安定になることです。

子供は、親の離婚や別居によって深い心の傷を負い、自身のアイデンティティの危機に直面します。

そうした状況で、監護親から非監護親の悪口や誹謗中傷を聞かされると、心の傷が深くなって情緒不安定になる傾向があります。

 

子供が情緒不安定になると、日常生活の中で様々な症状が現れます。

  • 抑うつ症状(気分の落ち込み、無気力感など)
  • 睡眠障害(不眠、眠りが浅いなど)
  • 自殺企図(リストカットなど)
  • 非行や不良交友への傾倒
  • 学業成績の低下
  • 薬物依存

 

片親引き離し症候群(片親疎外)の治療(対応)

片親引き離し症候群と片親阻害の治療

片親引き離し症候群を解消させるには、監護親の言動を改善させるしかありません。

子供の前で非監護親の悪口を言わない、子供が面会交流を楽しむのを嫌がらないなど、親としてごく当たり前な振る舞いを求めることになります。

 

ただし、必ずしも監護親のみに非があるとは限りません。

離婚紛争や面会交流における非監護親のアクションが監護親や子供の態度を硬化させ、片親引き離し症候群の遠因となっているケースもあります。

以下、監護親と非監護親それぞれに求められる対応について記載します。

 

監護親側

監護親に求められる対応
  • 子供に非監護親の悪口を言わない
  • 子供に非監護親を拒否するよう強要しない
  • 子供に夫婦の問題を相談したり、非監護親のことを探らせたりしない
  • 非監護親の呼び方を変えない(「あいつ」「あの人」などと呼ばせない)
  • 子供が非監護親の話をしても、不快感をあらわにしたり話をそらしたりしない
  • 再婚した場合、再婚相手だけを「お父さん」「お母さん」と呼ぶよう強要しない
  • 子供に一方の親を選択させるような質問をしない(「どちらの親が好きか」など)
  • 面会交流の制限や妨害をしない(LINEや電話などの間接的な交流、写真やプレゼントの授受などを含む)
  • 非監護親のイメージが悪くなるウソを子供につかない(「あなたを見捨てた」「死んでもういない」など)

 

非監護親側

非監護親に求められる対応
  • 子供に監護親の悪口を言わない
  • 監護親の子育ての苦労をねぎらう
  • 子供に監護親を拒否するよう強要しない
  • 監護親との連絡を維持して子供の状況を確認する
  • 子供や監護親の予定を優先し、面会交流を強要しない
  • 子供に夫婦の問題を相談したり、監護親の動向を探らせたりしない
  • 子供が監護親の話をしても、不快感をあらわにしたり話をそらしたりしない
  • 子供との定期的に会う(子供が「両親に見守られている」と思えるようにする)
  • 子供に拒否された場合は、子供とも監護親とも冷静に話し合い、今後の交流の方法を話し合う
  • 監護親のイメージが悪くなるウソを子供につかない(「男と会っている」「子供を嫌っている」など)
  • 子供に一方の親を選択させるような質問をしない(「どちらの親が好きか」「こっちで住まないか」など)
  • 監護親が嘘や間違った事実を吹き込んで子供が面会交流を拒否したことが分かっても、子供には伝えない(監護親と冷静に話し合って修正を求める)

 

片親引き離し症候群(片親阻害)のまとめ

日本では、離婚したときに母親が子どもを引き取って育てる家庭が大半です。

つまり、片親引き離し症候群の加害者になっているのは、残念ながら私たち母親が多いということです。

 

おそらく、子供を片親引き離し症候群にしたいと思っている母親はほとんどいないでしょう。

元夫への怒りや不満、離婚後の生活のストレスなどが積み重なった結果ではないかと思います。

 

でも、子供には何の罪もありません。

私自身、近いうちに離婚をする予定ですが、元夫の愚痴は子供以外に言う、子供が元夫の話をしても機嫌を損ねない、面会交流は続けるくらいは子供のためにやってやりたいと思っています。