- 離婚したいけど住む場所がないしどうしたら…
- 離婚した後ってどこに住めば良いの?
その悩み、記事を読めば5分で解消します。
あや
離婚後の生活に欠かせないのが離婚後に住む場所です。
シングルマザーの住まいの選択肢はいくつもありますが、離婚前から必要な準備をしておくことが大切です。
- これから離婚する人
- 離婚後の住まいで迷っている人
目次
離婚後に住む場所(住まい)の選択肢
離婚後の生活には住む場所が必要です。
離婚後に住む場所の主な選択肢は5つあります。
- 実家に帰る
- 婚姻中の自宅に住む
- 賃貸住宅に住む
- 公営住宅に住む
- 自宅を購入する
いずれにもメリットとデメリットがあります。
お金(家賃、維持費、固定資産税など)、治安、通勤の便利さ、子供の通学、監護補助の得やすさなどを考慮して選択することになります。
また、実家に住む場合は親の了解が、婚姻中の自宅に住み続ける場合は夫婦の合意が必要です。
離婚後に子供と同居する場合は、子供の意見も尊重しなければなりません。
離婚後に住む場所のメリットとデメリットについて確認していきます。
離婚後に住む場所:実家に帰る
実家の親との関係が良好で、親が離婚後の援助を了解してくれている場合は、実家に帰るという選択肢があります。
実家に帰るメリット
- 家賃がかからない
- 生活費がかからない(安くすむ)
- 家事育児の負担が少なくて済む
- 子供との時間を確保できる
実家で生活すれば家賃の負担がかからずに済みます。
日々の生活や子供にかかる費用、水道光熱費などを親が負担してくることもあります。
婚姻中に専業主婦やパート・アルバイトをしていた場合、離婚後すぐ仕事を見つけて安定した収入を得ることは困難です。
経済的な援助が受けられる実家で生活するメリットはとても大きいものがあります。
実家に住むことで家事育児の負担も親と分担することができます。
例えば、保育所・幼稚園や学校の送迎、食事の準備、子供の持ち物点検、掃除、洗濯などを手伝ってもらえます。
離婚のショックを引きずった状態で、仕事をしながら家事育児をこなすのは心身ともに大きな負担です。
家政婦などを雇うと金銭的な負担がかかるので、親から無償の援助が得られるのはありがたいです。
親が日常的に家事育児を援助してくれれば、子供と過ごす時間もたくさん確保できます。
子供の情緒面の発達を考えても、一緒にご飯を食べたり、登下校時に「行ってらっしゃい」、「ただいま」と声をかけてくれ、遊び相手になってくれる祖父母の存在は重要です。
実家に帰るデメリット
- 児童扶養手当の所得制限に該当する可能性がある
- 親の死亡後の生活に困る
- 親の老後の世話を押しつけられる
- きょうだい間で不公平感が生じる
まず、実家の親の収入が多いと、児童扶養手当の所得制限に引っかかる可能性があります。
児童扶養手当とは、子供の心身の健全な成長を図る目的で、ひとり親家庭の親などに支払われる手当です。
児童扶養手当には所得制限があり、受給資格者(扶養義務者など)の前年度の所得額が所得制限限度額以上の場合は支給されません。
実家の親に依存した生活を継続し、親の死亡後に自立できず生活が立ち行かなくなるリスクもあります。
離婚後の生活を援助する見返りとして、親の老後の世話を要求される可能性も考慮しておかなければなりません。
親自身が要求しなくても、きょうだいや親族などから「親の援助を受けるのだから面倒を見るのは当然だ。」と圧力を受けることは珍しくありません。
親に財産があれば、老人ホームに入居させたり福祉・介護サービスを利用したりして対応できます。
でも、財産がない場合は仕事や家事育児に加えて親の介護まで行う必要に迫られます。
きょうだい間で親の財産をめぐる対立が生じる可能性もあります。
実家に帰って親の経済的な援助を受けることにより、他のきょうだいが不公平感を抱くことがあるのです。
きょうだい間の対立は、親の生前に起こることもあれば、親の死後に表面化することもありますが、いずれにしても激しく対立しがちです。
離婚後に住む場所:婚姻中の自宅に住む
子供の生活をできるだけ変えないことなど重視し、婚姻中の自宅に住み続けるという合意が夫婦間でできた場合、自宅に住み続けるという選択肢があります。
婚姻中の自宅に住むメリット
- 生活環境の変化が少ない
- 子供への影響が少ない
- 家賃がかからない
婚姻中の自宅に住むメリットは、生活環境の変化が少ないことです。
慣れ親しんだ地域で生活を維持できます。
隣人関係、通勤時間や方法、買い物する場所なども変わりません。
子供にとっても、転居やそれに伴う転所・転園や転校をする必要がありません。
住み慣れた環境で仲の良い友人と離れることなく生活を続けることができます。
住宅ローンを完済している場合や、相手が負担する約束ができている場合は、家賃の負担なく済む場所を確保できます。
婚姻中の自宅に住むデメリット
- 好奇の目で見られる
- 住宅ローンの負担を強いられる
- 婚姻中の悪い記憶がよみがえる
自宅に住み続けるメリットとして「生活環境が大きく変化しない」ことを挙げましたが、デメリットになることもあります。
例えば、離婚したことを聞きつけた近隣住民から好奇の目で見られます。
また、浮気や借金などあらぬ噂を立てられるケースも少なくありません。
住宅ローン返済中の自宅に住み続ける場合、住宅ローンを誰が負担するかが問題となります。
自宅に住み続けられることになっても、賃貸住宅や公営住宅の家賃よりも高い住宅ローンの支払いを負担を求められて自宅を手放す人が一定数います。
自宅の名義も住む人に変更しておかないと、離婚相手に売却されてしまうリスクもあります。
離婚相手が住宅ローンの支払いに合意した場合、家庭裁判所の調停や審判、公正証書の作成などで証拠を残すことが大切です。
なお、夫婦喧嘩やDV被害などつらい記憶が多い場合、自宅に住み続けることで精神を病んでしまう人もいます。
離婚後に住む場所:賃貸住宅に住む
離婚後の住まいの選択肢として一般的なのが、賃貸住宅に住むというものです。
賃貸住宅に住むメリット
- 生活を一新できる
- 住む場所を自由に選ぶことができる
賃貸住宅に住むメリットは、離婚前の生活と区切りをつけ、住む場所を自分で選んで新しい生活をスタートさせられることです。
賃貸住宅といっても、アパート、マンション、シェアハウスなど選択肢は多様です。
個人の生活スタイル、経済力、子供の有無などに応じて選択することができます。
思い切って離婚前と異なる地域へ転居すれば、近隣住民とのしがらみや好奇の目から解放されます。
ひとり親家庭や子育てのサポートが手厚い地域に転居すれば、お金や気持ちの負担を軽くすることも可能です。
賃貸住宅に住むデメリット
- 入居時の敷金・礼金などの負担が大きい
- 月々の家賃の負担がかかる
- 入居に難色を示されることがある
賃貸住宅のデメリットは金銭面の負担です。
入居時には敷金や礼金などまとまった金額が必要です。
離婚後は、転居や裁判費用の支払いなどまとまった支出が多いのに、賃貸住宅入居のために数十万単位で支出しなければなりません。
敷金・礼金なしの賃貸住宅も増えていますが、その他の条件面に問題があるケースが多いので、注意が必要です。
また、入居後は月々の家賃を期限までに支払う必要があり、これも離婚後の生活を圧迫する大きな要因となります。
ひとり親家庭(特に母子家庭)を理由に入居を拒否されたり、別途条件を付されたりすることがあります。
ひとり親家庭が冷遇されるケース、減っては来ていますがなくなってはいません。
母子家庭の住宅手当(家賃補助)
母子家庭の住宅手当とは、自治体が実施している家賃を助成する制度です。
助成を受けることにより、賃貸住宅に住むデメリットの一つである家賃の負担を軽減することができます。
各自治体が独自に実施する制度であり、未実施の自治体も多いですが、住んでいる地域で実施しているか否か確認してみてください。
詳しくは下の記事に書いています。
離婚後に住む場所:公営住宅に住む
応募に当選すれば、公営住宅に住むこともできます。
公営住宅に住むメリット
- 家賃が安い
公営住宅のメリットは、家賃が安いことにつきます。
公営住宅とは、都営住宅、県営住宅、市営住宅などの地方自治体の住宅の総称です。
公営住宅は世帯の収入・住宅の広さ・築年数などで家賃が決まるので、収入が低い世帯では家賃が安くなります。
例えば、月収15万円のシングルマザーが子供2人と2LDKの公営住宅に住む場合、家賃は概ね月1~2万円程度です(地域差あり)。
通常、入居時に家賃の3ヶ月分程度の敷金が徴収されますが、基準となる家賃が安いため敷金も安く済みます。
公営住宅に住むデメリット
- 応募時期がある
- 物件を選べない
- 問題のある居住者がいる
公営住宅に入居するには期間内に応募する必要があります。
離婚する時期によっては募集期間外で、タイムリーに入居できないことがあります。
公営住宅は、築何十年の物件から数年以内に建てられた物件まで様々です。
外装や内装、部屋の間取り、衛生面なども大きく異なります。
特定の公営住宅への入居を希望することは可能ですが、たくさんの応募があれば抽選となり、当選しないと入居できません。
また、居住者の中には粗暴な言動を繰り返したり、夜間に騒音を立てたりして他の居住者に迷惑をかける人もいます。
民間に比べると注意指導が緩やかなので、問題行動が改善されず住みづらさを感じることもあります。
離婚後に住む場所:自宅を購入する
経済力があれば、離婚後に新たに自宅を購入する選択肢もあります。
自宅を購入するメリット
- 資産形成になる
自宅を購入するメリットは、資産形成になることです。
賃貸住宅や公営住宅に住む場合、月々の家賃を払い続けても住まいが自分の所有にはなりません。
つまり、払い捨てているわけです。
でも自宅を購入して住宅ローンを返済する場合、ローンを完済すれば自宅が自分の資産となって残ります。
また、家賃の心配をせず住み続けることができます。
自宅を購入するデメリット
- 住宅ローンが支払えなくなる
- 同じ場所に住み続けなければならない
自宅を購入するデメリットは、住宅ローンを支払えなくなる可能性があることです。
通常、住宅ローンは30~35年程度の長期間返済を続けることになります。
離婚後に安定した収入が得られるようになったとしても、それが何十年も継続できるとは限りません。
体調不良、親の介護、会社の倒産やリストラなどで安定した収入が得られなくなり、ローンの支払いが滞るリスクがあります。
また、自宅を購入すると転居することが難しくなります。
近隣住民とうまくいかない、再婚相手と離婚した、遠方への転勤を命じられたなどの事情があっても、一度購入した自宅を動かすことはできません。
今のご時世では売却も困難です。
シングルマザーが離婚後に住む場所がない場合
離婚してシングルマザーになった後に住む場所がない場合、母子生活支援施設に入るという選択があります。
母子生活支援施設(旧母子寮)とは、母子家庭のシングルマザーと子供が入所できる施設です。
母子の保護や自立促進を目的として設置されている施設で、生活スキルの獲得支援、仕事や子育ての悩み相談、子供の教育に関する助言を受けられます。
入所には福祉事務所の審査がありますが、生活保護世帯や住民税非課税世帯は水道光熱費以外の施設料金がかからず経済的にもメリットがあります。
ずっと住み続けることができる場所ではありませんが、離婚後に住む場所がない場合は選択肢の一つになりえます。
ちなみに、福祉事務所では母子生活支援施設以外にも各種支援制度を把握しています。
家庭の事情に応じて利用できる制度を紹介してくれるので、困ったときは一度相談に行くと活路が見いだせる可能性があります。
母子生活支援施設については、下の記事で詳しく解説しています。
離婚後に住む場所のまとめ
シングルマザーが離婚後に住む場所の選択肢は大きく5つ。
- 実家に帰る
- 婚姻中の自宅に住む
- 賃貸住宅に住む
- 公営住宅に住む
- 自宅を購入する
いずれもメリット・デメリットがあるので、離婚する前に検討を重ねて決めましょう。
どうしても離婚後に住む場所が確保できない場合、母子生活支援施設という選択肢があります。
生活スキルの獲得などの支援も受けられるので、住む場所がない場合は福祉事務所に相談してください。