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母親が親権を取れない事例って何が理由?取れなかったケースは子をクズ呼ばわりした?

母親が親権を取れない理由と事例

  • 「母親が親権を取れない事例ってあるの?」
  • 「取れなかったケースの理由って何なの?」

そんな疑問、記事を読めば5分で解決します。

あや

 

日本の法律では、子供の親権は

  • 結婚している間は夫婦が共同で行使する「共同親権」
  • 離婚した後は、父母の一方が行使する「単独親権」

と決まっています。

 

そのため、子供のいる夫婦が離婚するときは、父母のどちらかを親権者に決める必要があります。

 

家庭裁判所の手続きで離婚する場合、「子供の福祉(幸せ)」を一番に考えて親権者が判断されます。

家庭裁判所は、「父母のどちらが継続的に子供の世話をしてきたか(監護の継続性)」を重視する傾向があります。

そのため、「家裁は親権者=母親と決めている」という批判もあるくらい、母親が親権者になるケースが多いです。

 

ところが、こうした状況にでも、母親が親権を取れない事例があります。

どうしてでしょうか。

 

この記事で分かること
  • 母親が親権を取れない4つの理由と事例

親権を母親が取れない4つの理由

親権を母親が取れない4つの理由

母親が親権を取れない理由は、大きく4つあります。

  1. 母親が子供を虐待していた(児童虐待)
  2. 子供の世話を主にしていたのが父親だった
  3. 母親の浮気が理由で離婚することになった
  4. 子供が自分の意思で父親が親権者になることを望んだ

 

一つひとつ、具体的に確認していきます。

あや

 

母親が子供を虐待していた(児童虐待)

母親が親権を取れない理由:児童虐待

児童虐待というのは、保護者が子供を身体的または精神的に傷つけることです。

 

児童虐待防止法第2条では、児童虐待の4つの類型が定義されています。

種類 具体例
身体的虐待 子供の身体に外傷ができる、または、外傷ができるおそれのある暴行を加えること

 

具体例:子供の身体に殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせるなど

性的虐待 子供にわいせつな行為をすること、または、わいせつな行為をさせること

 

具体例:子供への性的行為、性的行為を見せる、ポルノグラフィの被写体にするなど

ネグレクト 子供の心身の発達を妨げる著しい減食、長時間の放置、保護者以外の同居人による虐待の放置など、保護者としての監護を著しく怠ること

 

具体例:家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないなど

心理的虐待 子供への著しい暴言、拒絶的対応、配偶者への暴力など、子供に著しい心理的外傷を与える言動をすること

 

具体例:言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子供の目の前で家族に対して暴力をふるう(DV)など

 

児童虐待は、子供の成長に悪影響を与える行為です。

母親が子供を虐待している場合、子供の幸せを重視する観点から親権を取れない理由となります。

 

父母の両方が子供を虐待していた場合、父親も親権者としてふさわしくありません。

子供の幸せのために、次のようなステップで父母以外を子供の保護者にします。

 

  1. 父母の親権を制限する手続き(親権喪失または親権停止)
  2. 親の代わりに子供の世話をする人を選ぶ手続き(未成年後見人選任)
  3. 子供は未成年後見人や祖父母に引き取られるか施設に入所

 

子供をクズ呼ばわりした母親が親権を取れなかったケース

子供をクズ呼ばわりし続けた母親が、心理的虐待を理由として親権を取れなかったというケースもあります。

子供をクズ呼ばわりする行為は、心理的虐待の「子供への著しい暴言」に当たります。

たとえ身体的な虐待がなくても、著しい暴言は子供の心に悪影響を与えるので虐待として認定されます。

 

子供の世話を主にしていたのが父親だった

母親が親権を取れない理由:主たる監護者が父親

冒頭にも書きましたが、家庭裁判所は、子供の親権者を決めるときに、

「監護の継続性」

という原則を重視します。

 

監護の継続性というのは、「子供のお世話については現状を継続しましょう」という原則です。

 

環境の変化は、子供の心と体に大きな負担となります。

離婚という泥沼の戦いに巻き込まれた子供は、すでに大きな傷を負っています。

そのうえさらに環境や人間関係まで一気に変わると、より深く傷つきます。

 

そこで、現状に大きな問題がなければ同じ状態を継続しようというのが家庭裁判所の考え方です。

 

少し専門的な言葉を使うと

監護の状況を変更しないことが子供の福祉にかなう(幸せのためになる)

ということです。

 

日本の多くの家庭では、子供の世話を主にしているのは母親です。

夫婦関係が悪化して別居した後も、母親が子供の世話を続けるケースが多くなっています。

そのため、家庭裁判所は、「現状の監護=母親との生活」の継続が子供のためと判断し、母親を親権者に選ぶ傾向があります。

 

しかし、結婚中に子供の世話を主にしていたのが父親だった場合、監護の継続性によって父親が親権者になることもあります。

 

例えば、次のような事情があると、母親が親権を取れない理由になります。

  • 父親が専業主夫として子供の世話をしていた
  • 夫婦が別居するときに、父親が子供を引き取って世話をしてきた

 

ハーグ条約の影響

日本がハーグ条約を締結した後は、監護の継続性を重視して親権者を決めることへの批判が強まっています。

家庭裁判所の判断にも変化が見られます。

 

例えば、

子供の連れ去りなど違法行為によって、母親がが子供の世話を始めた場合

には、監護の継続性を認めないという判断が増えています。

 

具体的には、次のようなケースでは母親が親権を取れないことがあります。

  • 父親と一緒に暮らす子供と面会交流をして、その最中に子供を奪取した
  • 自宅から父親を追い出して子供の世話を始めた

 

もちろん、結婚中の監護や子供の意見なども踏まえて判断されます。

したがって、絶対に親権が取れないというわけではありません。

 

母親の浮気が理由で離婚することになった

母親が親権を取れない理由:母親の浮気

母親が浮気した場合、母親が親権を取れない理由になることがあります。

例えば、次のような事情で夫との離婚が決定的になった場合、母親が親権を取るのは難しいです。

  • 浮気相手と出かけて家を空けがち
  • 浮気相手の家に入りびたって帰宅しない
  • 在宅中も浮気相手と連絡を取り合って家事育児をしない
  • 子供の病気や受験よりも、浮気相手を優先する行動を繰り返した
  • 浮気相手と子供を会わせ、浮気相手が子供に性的虐待を加えた

 

ただし、

浮気は夫婦の問題、親権は親子の問題

と切り離して考えるのが家庭裁判所の傾向です。

 

浮気をした事実があっても、子供の世話に問題がなく親子関係も良好なら、母親が親権者になる可能性は残ります。

 

子供が自分の意思で父親が親権者になることを望んだ

母親が親権を取れない理由:子供が父親を望んだ

家庭裁判所は、一定の年齢に達した子供の親権者を決めるときは、子供の意思を尊重します。

 

法律上は、

満15歳を超えた子供からは、意見を聴かなければならない

と決まっています。

 

でも、家庭裁判所は

「おおむね10歳以降」の子供

については、自分の意思を表現できると考えて意思を把握する傾向があります。

子供が満15歳未満の場合

満15歳未満の子供の意思を把握する場合、次のような情報も集めて子どもの意思を推測します。

  • 父母の陳述
  • 家庭環境や周辺環境
  • 子供が通う場所(学校や幼稚園・保育園など)

 

特に、小学校低学年までの子供は、言葉で自分の意思を表現することが困難です。

そのため、周辺の情報から子供の意思を推測する度合いが高くなります。

子供がいくら父親と暮らしたいと希望しても、母親を親権者とする判断が出ることもあります。

結婚中に子供のお世話に関与した程度などが考慮され、母親の方が親権者としてふさわしいと判断されることがあるのです。

 

 

ただし、年齢が低い子供ほど母親と一緒にいたがるのが一般的です。

それなのに子供が父親と暮らしたいと希望した場合、その理由が詳しく調査されます。

 

10歳前後になると、子供は自分の意思を言葉で伝えられるようになるので、発言を尊重する度合いが高まります。

 

子供が満15歳以上の場合

子供が満15歳以上の場合、家庭裁判所調査官が子供と面接して意思を聞き取ります。

そして、親権者を決めるうえで子供の意思を最大限に尊重します。

したがって、満15歳以上の子供が「父親を親権者にして」と希望すれば、基本的には母親は親権を取れません。

 

母親が親権を取れない事例のまとめ

  1. 母親が子供を虐待していた(児童虐待)
  2. 子供の世話を主にしていたのが父親だった
  3. 母親の浮気が理由で離婚することになった
  4. 子供が自分の意思で父親が親権者になることを望んだ

この4つの事情は、母親が親権を取れない理由になります。

特に、児童虐待があったと認められた場合、母親が親権者になるのは相当に厳しいです。

他の事情については、家庭裁判所が詳しい事情を調べ上げて判断します。

少し前までは母親を親権者にする判断が多かったですが、近年は父親を親権者にする判断も増えています。