- シングルマザーの家賃補助っていくら出るの?
- 母子家庭だと家賃が免除されるって聞いたんだけど…
その疑問、記事を読めば5分で解消します。
あや
母子家庭(シングルマザー)は、市区町村が定める要件を満たせば住宅手当(家賃補助)を受けることができます。
母子家庭のシングルマザーが抱えやすい大きな問題の一つが経済的な困窮です。
中でも、月々の家賃負担は母子家庭の家計を大きく圧迫します。
市区町村からの手当や補助があれば、金銭面の負担が減って生活が安定します。
でも、母子家庭の住宅手当(家賃補助)制度を知らなかったり、手続きをしないシングルマザーが少なからずいます。
はっきり言ってモッタイナイし、子供だってかわいそうです。
そこでこの記事では、母子家庭の住宅手当(家賃補助)について解説します。
- 離婚して経済的に困っている人
- 母子家庭の住宅手当(家賃補助)について知りたい人
目次
母子家庭の住宅手当(家賃補助)とは
母子家庭の住宅手当・家賃補助とは、母子家庭のシングルマザー(ひとり親)が負担する家賃の一部を市区町村が負担してくれる制度です。
母子家庭の生活をサポートするために市区町村が独自に実施しています。
2020年3月時点で制度を設けている市区町村は一部でです。
利用を希望する場合は、住んでいる市区町村の窓口に確認してみましょう。
名称も市区町村によって異なります。
- 母子家庭の住宅手当
- 母子家庭の家賃補助
- 母子家庭の住宅補助
- 母子家庭等家賃助成など
この記事では「母子家庭の住宅手当・家賃補助」と記載しています。
あや
父子家庭(ひとり親家庭)も対象となることがある
母子家庭の住宅手当・家賃補助は、制度の名称に「母子家庭の」と付いています。
でも実際は、父子家庭を含む「ひとり親家庭」に対する手当や補助制度を整備している市区町村が大半です。
母子家庭の家賃が免除されることもある?
母子家庭の住宅手当・家賃補助はあくまで家賃の一部を補助する制度です。
全額を免除してくれる制度ではありません。
自治体によっては家賃の大半を負担してくれるところもありますが、全額免除という地域は見当たりません。
母子家庭の住宅手当・家賃補助の受給資格(対象者)
母子家庭の住宅手当・家賃補助を受給するには次の要件を全て満たす必要があります。
- ひとり親家庭のシングルマザーなどで、子供と同居して養育している
- 民間の賃貸住宅に家賃を支払って住んでいる
- 制度を実施する市区町村の中に住所がある
- 生活保護法の住宅扶助を受けていない
- 家賃月額が一定額以下
- 所得が一定額以下
受給資格は市区町村によって異なることがあります。
制度実施の有無と一緒に確認してください。
あや
ひとり親家庭のシングルマザーなどで、子供と同居して養育している
子供とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子供のことです。
母子家庭のシングルマザーだけでなく、父子家庭のシングルファザーや父母がいない子供を養育する祖父母も受給の対象になります。
具体的には、次のような子供と同居して養育している人が対象です。
- 父母が離婚した子供
- 父または母が死亡した子供
- 父または母に一重度の障害がある子供
- 父または母が生死不明の状態にある子供
- 父または母から1年以上遺棄されている子供
- 父または母が1年以上拘禁されている子供
- 未婚の母が出産した子供(未婚のシングルマザーが産んだ非嫡出子など)
- 保護命令を受けている子供
制度を実施する市区町村の中に住所がある
母子家庭の住宅手当・家賃補助制度は、各市区町村の制度です。
したがって、「制度を設けている市区町村に住んでいる(住民票がある)」ことが要件となります。
民間の賃貸住宅に家賃を支払って住んでいる
制度の対象となるのは、民間の賃貸住宅に住んで家賃を支払っている人です。
- 社宅
- 社員寮
- 公営住宅(市営住宅、県営住宅、都営住宅など)
- UR賃貸住宅など
これらに当てはまる人は対象外です。
また、元夫や三親等以内の親族の家に住んでいる場合、家賃を支払っていても対象から外されます。
家賃月額が一定額以下
母子家庭の住宅手当・家賃補助は、所得の低い母子家庭の生活の安定と向上を図るための制度です。
そのため、高額な家賃を支払っている場合は対象から除外されます。
家賃月額の上限額については、各市区町村が独自に定めています。
所得が一定額以下
母子家庭の住宅手当・家賃補助には所得制限が設けられています。
所得制限は、子供など扶養親族の人数によって変動します。
扶養親族などの人数 | 所得額 |
0人 | 192万円未満 |
1人 | 230万円未満 |
2人 | 268万円未満 |
3人 | 306万円未満 |
扶養人数が1人増えるごとに、所得制限限度額が38万円ずつ加算されます。
対象となるのは前年または前々年の所得
制度利用で審査対象となるのは、前々年の所得(1~3月に申請する場合)または前年の所得(4~12月に申請する場合)です。
申請する年の所得ではないので、注意してください。
あや
所得=年収ではない
所得と年収は混同されがちですが、違うものです。
- 年収:1年間に会社から得た収入
- 所得:源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」欄の金額-所得控除合計額
生活保護の住宅扶助を受けていない
生活保護の住宅扶助を受けている場合、併せて母子家庭の住宅手当・家賃補助を受けることはできません。
住宅に関するその他の手当を受けている場合も、対象から除外されます。
母子家庭の住宅手当・家賃補助の申請方法
まず、市区町村役場の生活支援担当窓口(名称は市区町村によって異なる)で、制度の有無を確認します。
制度があれば申請書類をもらい、申請に必要な資料を教えてもらいます。
市区町村の多くが申請時に提出を求める書面や資料は、次のとおりです。
- 申請書
- 借家賃貸借契約書の写し
- 児童扶養手当証書
- 戸籍謄本
- 所得証明書
- 家賃領収書などのコピー
- 住民税課税・非課税証明書
- 申請者名義の口座がわかるもの:振込用
- 印鑑:認印で可、シャチハタは不可
その他にも提出を求められる可能性があるので、担当窓口で確認してください。
母子家庭の住宅手当・家賃補助の支給額
母子家庭の住宅手当・家賃補助制度がある主な市区町村、制度の名称、支給額は、以下のとおりです。
市区町村 | 名称 | 月額または上限額 |
山形県遊佐町 | 遊佐町ひとり親家庭等家賃助成制度 | 上限1万円 |
東京都東久留米市 | ひとり親家庭住宅手当 | 3,500円 |
東京都東村山市 | ひとり親家庭等家賃補助 | 5,000円 |
東京都武蔵野市 | ひとり親家庭住宅費助成 | 1万円(家賃が1万円以下の場合は家賃全額) |
東京都国立市 | 住宅費助成 | 上限1万円(家賃の1/3) |
千葉県浦安市 | ひとり親家庭住宅手当 | 上限1万5,000円 |
千葉県君津市 | ひとり親家庭住宅手当 | 上限5,000円 |
埼玉県蕨市 | ひとり親世帯民間賃貸住宅家賃助成 | 6,000円(家賃1~3万円)
10,000円(家賃3~6万円) |
神奈川県海老名市 | 母子・父子家庭のための住宅手当 | 家賃月額により3,000~7,000円 |
神奈川県大和市 | ひとり親家庭等家賃助成 | 上限10,000円 |
神奈川県厚木市 | 母子家庭等家賃助成 | 家賃月額により1,300~1万円 |
神奈川県鎌倉市 | ひとり親家庭などへの家賃助成 | 上限8,000円(家賃月額から15,000円を控除した額) |
茨城県石岡市 | 子育て世帯家賃助成補助金 | 上限2万円(勤務先の住宅手当を差し引いた額) |
富山県富山市 | ひとり親家庭等家賃助成事業 | 上限1万円(勤務先の住宅手当を差し引いた額) |
※2020年3月時点
各自治体が独自に実施している制度なので、名称も家賃の補助額もバラバラです。
母子家庭の住宅手当・家賃補助の支給時期
3~4ヶ月ごとにまとめて指定口座へ振り込まれます。
例えば、2月(10~1月分)、6月(2~5月文)、10月(6~9月分)の年3回、各前月までの分が振り込まれることになります。
支給日は各市区町村によって異なります。
例えば、支給期月の15日前後や月末などに支払われます。
母子家庭の住宅手当・家賃補助のまとめ
母子家庭の住宅手当・家賃補助は、賃貸住宅に住むシングルマザー(ひとり親)に家賃の一部が補助される制度です。
各自治体がひとり親家庭支援の一環として実施している制度なので、住んでいる自治体によって実施の有無や補助の内容が異なります。
事前に住んでいる地域の役場に確認しておきましょう。
実施されている場合は、利用することで家賃の負担が軽くなって生活の質を向上させることができます。
「シングルマザーなら住宅費が免除される」と勘違いされる人がいますが、免除ではなく補助です。
家賃が100%免除されるケースはごく稀なので、注意してください。